イオンからフェリー乗り場へは車で約30分。近くに苫小牧フェリーターミナルがあり、敦賀行のフェリーはここよりもう少し東側にある別の港。間違えそうになり、少々焦ったがなんとか乗船には間に合いそうだ。
車を走らせていると、The北海道というような道路に出る。そう、そこは今にも鹿が飛び出してきそうな、飛び出してきても全くおかしくのない道だった。あたりは街灯もなく真っ暗。一直線に伸びる道。左側には「鹿注意」の標識が100mおきくらいにしつこいくらいに立っている。まるで、鹿が出てきてぶつかっても知らんぞ、こんなに注意しているのに。と言わんばかりの主張をしてくる。
走っても走っても抜け出せない、鹿注意ゾーン。速度を落としひた走る。とその時、突然キラーンと光るものが草むらに!!!思わず急ブレーキ。窓を開けて確かめると、そこには薄っすらと闇の向こうに佇む黒い影。そう、鹿だ。じっとこちらを見ている。その様子は暗闇の中であったせいもあるのかもしれないが、はっきりと姿が見えない恐怖と、そのまま突進してくるのではないか、という恐怖と折り重なって、すぐさま車を再発進させる。胸の鼓動がなかなか収まらない。
再びトラウマが蘇り、より速度を落として車を走らせる。目を凝らすとまた草むらに鹿がいた。やはり暗闇の中だからか、恐怖心が倍増してしまう。
それから車を走らせること5分ほどの間に3匹ほど鹿を見た。恐怖であったが思い出してほしい。我々の車、このギョロ目には「鹿笛」というアイテムが搭載されていたことを。そう、この笛は鹿の動きを止めるものであった。我々が目にした3匹はじっとこちらを見ているだけであったのである。つまり、この鹿笛の効果を確認できたと言っても過言ではないと思われる。
最後の最後に鹿笛の効果を体感できることになるとは。とはいえ、鹿とこれ以上衝突しなくて本当に良かった。
無事フェリーターミナルに着き、手続きを行う。
鹿との衝突はあったものの、怪我もなく帰宅することができた。
フェリーの中での時間も楽しめた。特に今回乗船したフェリーには露天風呂があり、海の上の露天風呂という日ごろ味わえない体験もできた。
来年は天気に恵まれた旅となるよう、またリベンジしたい!